デスクトップ・エントリのファイル
「デスクトップ・エントリのファイル」はメニュー項目に関する情報を提供するデータ・ファイルの一つです。このファイルを使ってメニュー項目の名前や起動するコマンド、メニューに表示するアイコンなどの詳細な情報を指定します。さらに、メニューの階層でこのメニュー項目が表示される場所を特定するために使用するキーワードもいくつか含まれています。
このデスクトップ・エントリのファイルは $XDG_DATA_DIRS/applications というフォルダの中に格納され、.desktop という拡張子がつけられていなければなりません。環境変数 $XDG_DATA_DIRS1 が設定されていない場合、/usr/share がデフォルトのパスとなります。これは、ユーザ専用のデスクトップ・エントリのファイルを $XDG_DATA_HOME/applications に配置することができるということも意味しています。 (このフォルダが最初に検索されます)。ここで、$XDG_DATA_HOME が設定されていないと、デフォルト値の ~/.local/share を使用します。デスクトップ・エントリはすべて 環境変数 $XDG_DATA_DIRS に格納されたフォルダから取得します。同名のデスクトップ・エントリがあった場合は $XDG_DATA_DIRS に指定されたフォルダの中で先に出現する方が優先されます。
次はデスクトップ・エントリのファイルの例です:
[Desktop Entry] Encoding=UTF-8 Name=Calculator Name[ja]=関数電卓 ... Comment=Perform arithmetic, scientific or financial calculations Comment[ja]=算術/科学/財務の計算を行います ... Exec=gcalctool Icon=accessories-calculator Terminal=false Type=Application StartupNotify=true Categories=GNOME;GTK;Utility;Calculator
表 2-2 にデスクトップ・エントリのファイルで最もよく利用するキーワードを示します。デスクトップ・エントリのファイルについて詳細については「XDG デスクトップ・エントリの仕様」をご覧ください。
キーワード | 説明 |
---|---|
Categories |
アイテムを説明するためのキーワードをセミコロン (;) を区切り文字としていくつか羅列する (カテゴリを表す標準的なキーワードは「 http://www.freedesktop.org/Standards/menu-spec」にあるデスクトップ・メニューの仕様に一覧としてまとめられている) 「いろいろなメニュー定義ファイル」では、この Categories キーに対するフィルタリングのルールを使って、デスクトップ・エントリをメニュー項目にマップしている (関連付けている) |
Comment | この項目の概要を表す (このキーワードはメニュー項目の上にポインタをのせた時に現れるツールチップの中に表示される文章である) |
Encoding | デスクトップ・エントリに記載する情報のエンコーディングを表す |
Exec | メニュー項目を選択した時に実行するコマンドを表す |
Icon | メニュー項目に表示されるアイコンのファイル名を表す (ファイル名のパス、あるいは拡張子は指定しないこと) |
MimeType | このデスクトップ・エントリが表すアプリケーションで扱える MIME 型を表す |
Name | メニュー項目の名前を表す文字列 (この文字列が実際のメニューに表示される) |
NoDisplay | このオプションは「アプリケーションは存在しているが、メニュー項目としては表示しない」という時に指定する |
Terminal |
キーワードの Exec に指定したコマンドを端末の中から起動するかどうかを表す (ここで true を指定すると、端末の中からコマンドを起動する) 起動するコマンドがウィンドウを生成しない場合、このキーワードには true を指定すること |
Type |
メニュー項目の種類を表す (この値は次のいずれかとする):
|
デスクトップ・エントリのファイルについて詳細については、次の URL にある仕様書をご覧ください:
パネルのランチャとデスクトップ上のオブジェクトもデスクトップ・エントリのファイルを利用しています。ランチャやデスクトップ上のオブジェクトで使用するデスクトップ・エントリのファイルはメニュー項目で使用するものと同じ情報が記載されています。例えば、デスクトップ・エントリのファイルはランチャをクリックした時に起動するコマンドが記載されています。