フォントの置き換え

fontconfig ライブラリは、フォントそのものが存在しない、またはいくつかの文字が存在しない時にフォントの置き換えを実施します。もしシステムで利用できないフォントを表示しなければならなくなったら、fontconfig は類似したフォントを使った表示を試みます。例えば、ウェブ・ページで Verdana というフォントを使った表示を要求し、そのフォントがシステムにインストールされていなかった場合、fontconfig のライブラリは Helvetica のような類似したフォントで描画します。類似したフォントの一覧は /etc/fonts/fonts.conf というファイルの中に定義されています。

選択したフォントの中には存在していない文字を表示しなければならなくなった場合、fontconfig のライブラリは類似した別のフォントにある文字を使った表示を試みます。例えば、Bitstream Vera Sans というフォントをテキスト・エディタで設定しているものとします。そして、この Bitstream Vera というフォントにはキリル文字は含まれていません。ここでキリル文字を含むドキュメントを開くと、テキスト・エディタはキリル文字を表示するためにキリル文字を含んでいるよく似たフォントを利用します。

さらに fontconfig のライブラリは、serif とか sans-serif とか monospace といったフォントに対する別名を定義します。フォントの別名から一つ選択すると、システムは /etc/fonts/fonts.conf で別名として定義した一番最初のフォントを利用します。